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ご来訪ありがとうございます。
自宅不用品を出品している普通のメルカリユーザーです。
2019年からメルカリを利用しています。
これまで、溜めていたショップ袋や空箱などを使用して梱包をしてきました。
梱包資材の再利用はもしかすると、「デリカシーに欠ける」という風に感じる方もおられるかもしれません。
実際、「失礼しちゃうわ」みたいなツイートをたまに見かけます。
分かります。
いつ、どこで、誰が、どんな風に使用していたかも分からない資材。
不安に感じる人がいたっておかしくはありません。
多くの人が、最初のうちは違和感を感じてたかもしれません。
でも、しばらくフリマアプリで購入しているうちに、不思議とこれがあたりまえになっている。
メルカリが登場する前からある、リサイクル梱包の慣習。
ヤフオク!(旧Yahoo!オークション)から続いているようです。
ショップ袋や段ボール箱を再利用するのが一般的。
フリマアプリの梱包に体面を求めないユーザーは多いと思います。
ほとんど購入者は、出品物のほうに価値を置いている。
でも、ツイッターを眺めているとそういう人達ばかりじゃないんだなーと思うことも多く、
やっぱりこう思います。
「失礼にあたっていたこと」が「礼儀正しいこと」に置き換わったのでは決してなく、「無礼講のようなかたちで受け入れられている」に過ぎないのだ、と。
「リサイクル梱包はわかるけど(マナー的に)封筒くらいは買え」という趣旨のツイートを見かけることもあります。
こういったコメントを見る度に心に刻みます。
わたし再利用梱包がフリマの常識と思っていたらいつか痛い目をみるぞ、と。
再利用する場合は事前に購入者の承認をもらっておくことが肝心。
といいながらも、
わたし自身は、2021年から新たにお菓子やアイスなどの空箱まで再利用しています。
「お菓子の箱で梱包なんて常識外れだ」と思われたかもしれません。
はい、これは節度を超えているのかもしれません。
「分かってるのに、何でやるの!?」「今すぐやめてください!」という声もあるとおもいます(実際にそう直接言われたことはありません)が、
一応それなりの理由と意味があってやってます。
わたし自身は、お菓子箱梱包を受け取ったことはまだありません。
現在、実践者はわずかだと思います。
わたしがお菓子箱梱包に至るまでの経緯から、わたしの目指す理念、現在の課題までをまとめます。
やってみたいけど、礼儀を欠く心配や抵抗感のある人や、常識外れだと言われてしまうのが怖くて差し控えている人に読んで貰いたいです。
持ち物整理で実際にやった失敗と成功
誰もの人生の中で、自分の所持品を整理する機会が訪れると思います。
2017年冬、単身→実家への引っ越しで、わたしに不用品の処分方法について考える機会が到来しました。
この時点で、これまでの人生で引っ越しは何度か経験しているのにもかかわらず、その度ごとに大型の所持品をどう処分してきたのかどうしても思い出すことができませんでした。
思い出せたのは、要らなくなった衣服や本・CDなどを大型チェーン店のリサイクルショップに持ち込んだことぐらい。
ほかの物は誰かに譲ったか、捨てたのか、全く記憶がありませんでした(いまでも思いだせません)。
それぐらい適当に処分したのだと思います。
まだ使える不用品を粗大ごみに出して処分した
それで改めて、物をどう処分すればいいのか調べました。
そして、私の取った行動は・・・
棚などの粗大ごみは自治体に従って、冷蔵庫と洗濯機は家電リサイクル法に従って処分しました。
一番簡単な方法を選択したんです。
持ち物が減って身軽になり、当時これぞ断捨離だと喜んでいたと思います。
今思えば、前もって中古品の掲示板サイトへ0円で出品したほうがより良かったと思います。
そうしておけば、粗大ごみシールも家電リサイクル券も買わなくて済んだうえに、また誰かに使ってもらえたのです。
大型のもの以外は(処分せず)全て引っ越しの荷物にまとめました。
ネット買取を利用してモヤっとした
単身→実家への引っ越しが完了したのですが、実家には姉妹が置いていった物があり自分の物を置く場所がありません。
今度は実家の物を整理しなければならなくなりました。
その際、はじめてネット買取を利用ました。
ネットで申し込みをして不用品をダンボール箱に詰めて送り、後に査定された金額が振り込まれるサービスです。
書籍やCD、DVDを箱に詰め込んで発送しました。
買取金額UPキャンペーン中ということでしたが、査定結果はたったの千円。
送料が着払いなので、ネット買取業者さんが損をしないようにと思い、あらかじめネットで売られている値段を調べて良い価格が付くだろうものもあえて入れたんです。
プレミアが付いて中古でも6千~1万円するDVDも入れたのに!?
モヤっとしながらも、返送してもらうにもお金が掛かるしまた別のところに頼むのも面倒くさいと思いそのまま査定金額を承諾しました。
その後、わたしの口座に約千円が振り込まれました。
やっぱり、残念でした。
価値があると思っていた物の価値を認めてもらえなかったような虚しさが残りました。
NPO法人に寄付して使われることを祈る
衣類
本やDVDが売れないなら、衣類なんてもっと売れないだろうなと思いました。
今後絶対的に着ることのない衣服・カバンをNPO法人に寄付しました。
衣装ケース程のダンボール1箱分になりました。
この時、少しでもまだ着る可能性のある衣類は手元に残しました。
絶対に着ない衣類も、フリマアプリに一旦出品すればよかったかなと今ちょっと思います。
お金を出して購入した方のほうがその服を着てくれる可能性が高いような気がするからです。
文房具
新品のボールペンをまた別の団体へ寄付しました。
わたしが利用した団体は、新品であれば企業ロゴが入ったボールペンもOKとのこと。
ロゴ入りかどうかに関係なく、日本製は海外人気が高いのだとか。
ただ中古のものは現地でインクが出ないというトラブルが多かったとのことで、いまは新品しか受け付けてないのだそう。
ボールペンって、徐々にインクが劣化していつの間にか書けなくなります。
放っておいて新品を使えなくしてしまってはもったいない。
必要としている方の元へ届いてほしいです。
ボールペンを発送してから数週間後、感謝のメッセージが書かれたハガキを受け取りました。
ロゴ入りのボールペンはこれでよかったと思っています。
中古品の掲示板サイトに出品→不用品に「需要」があることに気付いた
不用品を「ジモティー」や「クレイグリスト」などの無料の広告掲示板サイトに投稿して個人間取引(直接取引)することができます。
直接引き取りに来てもらえば、大型家具を梱包せずに引き渡すことができるところが魅力だと思います。
わたしはジモティーで、まだ使える古いソファーや棚、冷蔵庫などをすべて0円出品しました。
自分で値段を付けることが出来ますが、わたしにとって価値の無い物だったのと、結構古い物だったこと、壊れたら購入者が処分費を払わなければならないことをあれこれ考えた後、最初から0円に設定しました。
数人から反応があり、何回かメッセージをやり取りしてぽつりぽつり取引が成立し、数か月で全て手元から離れました。
ジモティーを通じて、中古品の需要って意外とあるもんだということに気が付きました。
引き取りに来られた方から、洋菓子を頂いてしまうことがありました(美味しくいただきました)。
さすがに古い電気カーペットや破損した電気スタンド、壊れたタンスなどは、粗大ごみに出しました。
大きな不用品はこれで大分減らすことが出来ました(実家の中がすっきりしました)。
それでもまだ、自宅にまだ使える多くの小~中型の不用品が残っている状態です。
メルカリに出品→不用品の「価値」に気付いた
2019年春、メルカリを始めました。
物によっては、出品からわずか3分で売れました。
値段設定をミスした可能性ありますが、とにかく、わたしの中古品の概念はガラリと音を立てて変わりました。
メルカリを通じて、中古品に価値があるということを学びました(家族にも勧めました)。
元々、基本まだ使える物を捨てることに抵抗あるタイプですが、物を大切にしようという気持ちが一層強くなりました。
メルカリが個人間取引の媒体を提供してくれていることにとてもとても感謝しています。
メルカリの目指す『循環する社会』が響いた
メルカリ創業者山田進太郎氏へのインタビュー記事を読んで、ハッと目が覚めました。
山田:当時から「モノを大切に使う社会を実現したい」と考えていました。限られた資源のなかで「使っては捨てる」を続けていると、新興国の人は永久的に先進国と同じような生活を送ることができない。だからこそ、もっと「循環する社会」をつくらなければいけないなと。正直、ほとんどのモノは「使っては捨てる」の考え方に当てはまらないと思うんですよね。
メルカリが創業時から目指す「循環する社会」とは。CEO山田進太郎に聞く
いつの頃からか、わたしの中に捨てられないことが悪で、捨てることが善のような心理が構築されていました。
そう思い込もうとしていました。
これは、そうであったほうが自分に都合がよかったからです。
しかし実際に地球が今の環境を維持していくためには、人間の社会が循環型でなくてはならないのです。
【循環型社会】
狭義には、廃棄物の発生を抑制し、再使用・リサイクルを行い、廃棄量を少なくし資源として循環利用する社会。広義には、自然における適正な物質循環を可能にする人間社会のあり方。
知恵蔵
現代社会の人間(の消費活動)は生態系の循環サイクルの中に収まっていない。
でも現代のシステムの中で生活していると、個人での循環型の実践はとても難しいのが実情です。
『断捨離』を卒業、『勿体』を尊重
【断捨離(だんしゃり)】
モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にする行動技術。
家のガラクタを片づけることで、心のガラクタをも整理して、人生をご機嫌へと入れ替える方法。要するに、片づけを通して「見える世界」から「見えない世界」に働きかけていく。そのためにとる行動とは、
「断」=入ってくる要らないモノを断つ
「捨」=家にはびこるガラクタを捨てる、です。
そして「断」と「捨」を繰り返した結果訪れる状態を、
「離」=モノへの執着から離れ、ゆとりある“自在”の空間にいる私と定義づけます。断捨離は単なる掃除・片づけとは異なります。「もったいない」「使えるか」「使えないか」などのモノを軸とした考え方ではなく、「このモノは自分にふさわしいか」という問いかけ、つまり主役は「モノ」ではなく「自分」。「モノと自分との関係性」を軸にモノを取捨選択していく技術です。
※「断捨離®」は、やましたひでこの登録商標です。
断捨離 やましたひでこ公式サイト
『断捨離』という言葉で自分を奮い立たせたときもありました。
この概念のおかげで今まで片付けを頑張ってこれました。
でも、心の端っこでずっと感じてました。
やっぱり、捨てるのは「もったいない」。
【勿体(もったい)】
物の品位。
・・・と辞書にはありますが、多くの人が様々定義しています。
例えば、「価値」と定義されている人もいますし、
ケニアの元環境大臣でありMOTTAINAIキャンペーン提唱者である故・ワンガリ・マータイさんはMOTTAINAIを「環境3R+リスペクト」と定義している。
神道における「神様」のような、霊魂や精神的なものとも解釈出来なくもありません。
ほかにも、「勿体ぶる」「勿体つける」など物だけでなく人にも使用されるため、「時間」や「労力」、「お金/資源」などに関連するまた別の定義があるのかもしれません。
人によって解釈が異なるのを前提に、わたしは勿体について物の尊厳と定義することにしました。
わたしがしてきた『断捨離』は、自分が中心で、生命の『循環』まで想定していなかった。
これまでの素行を反省。
わたし、断捨離を卒業します。
これからは物の尊厳を尊重して生きていきます。
資源を梱包に再利用することを決めた
「捨てる物を減らし、巡らしていくぞー!」
※ あくまでも目標です。
更なる一歩ということで、
2021年秋、お菓子箱梱包を実践することにしました。
元々、自分で何か作ったりするのは好きなほう。
メルカリがもっと楽しめそうです。
これで物を最大限活用でき、ごみも減らせるはずです。
再利用梱包に立ちはだかるマナーの壁
お菓子箱梱包には、越えなければならない大きな壁がありました。
それは、人に物を送る際のマナーです。
検索しても、出てくるのはNG梱包としての再利用の例ばかり。
※ “ありえない梱包” や “とんでもないユーザー“とネットで紹介されてor晒されている梱包写真を見たことで、逆に「資源の再利用を実践している人もいるんだ。」「裏返したらアリなんじゃないか?」という着想を得ました。
でも、一般常識に照らすとやはり常識外れ。
具体的には、相手の面子(メンツ)を潰している。
さて、お菓子箱梱包は人から理解は得られるのでしょうか?
事前にお詫びをした
一般的に理解されないだろうと思ったので、まず梱包方法について事前に環境配慮である旨説明、差し当たり購入者へ非礼をお詫びすることにしました。
具体的には、プロフィールページと商品ページの2か所にお菓子箱等を含む家庭の資源を利用して梱包する旨を記載、更にどちらも読んでない購入者を想定し、メッセージでお菓子箱を裏返して自作した箱を使用する旨を伝え、「何卒ご容赦ください <(_ _)>」と結びました。
これは機能しました。
許容してもらえた
これまでにクッキーの空箱のほか、アイス、マーガリン、カレーのルー、ティッシュの空箱などを裏返して、外梱包に再利用ました。
これで購入者から梱包で苦情や悪い評価を受けたことはまだ一度もありません(2023/01/17現在)。
逆に、感謝の言葉と共に「丁寧な梱包」や「工夫がされていた」という評価コメントを頂くことがあります。
でも梱包方法に言及されないことが一番多いかもしれません。
コメント無しをどう解釈するか?
悲観的に解釈すれば、「良い」評価はしたもののコメントはしたくないぐらい不快だった。
楽観的に解釈すれば、お菓子箱梱包を許容できるか、梱包方法をあまり気にしてない。
いまもしかすると、これまでの一般常識が資源の再利用へとパラダイム転換しているところかもしれません。
やろうかどうか迷っている人は、一度試してみたら良いんじゃないかと思います。
工作の楽しさに気付くかもしれません。
専門的な知識や技術をどう補っていくか
マナーの壁は、伝え方次第で乗り越えられそう。
ひと安心したら、また新たな不安に襲われました。
『この梱包は、正解なのか?』
もっと根本的な壁があったのに気付きました。
機能的か?
一義的には強度などの機能が備わっているかどうか、
輸送に耐える十分な機能を果たすのかどうかを検証するにはどうやればいいのか?
分別できるか?
二義的には循環資源として分別できるかどうか。
たとえば、厚紙に接着剤でダンボールを貼り補強することや、厚紙同士を接着させるために両面テープを貼ることは循環型といえるのか?
今後、勉強しながら考えていかなければならない課題です。
まとめ
自宅不用品を出品している普通のメルカリユーザーです。
メルカリのおかげで、自分や人間中心から地球のことまで考えられるようになりました。
出品物のみならず、人間から消費されるものまですべて循環型に変わるといい。
でもそれは今の社会ではなかなか難しい。
『捨てる物を減らし、巡らす』ことを実践したい。
この流れで、梱包資材も家にあるものを最大限再利用しています。
物凄い信念や正義感があるとは言えないまでも、個人的に真面目な取り組みです。
相手の心情を思うと同時に、地球の資源も大切にします。
(具体的には、要望に応じて個別に対応します。)
購入者にも、第三者(地球・勿体・運送者・媒体を提供してくれているメルカリ)にも礼儀正しい梱包を目指します。
令和04年06月01日
令和05年01月17日(編集)
再利用梱包オバケ (@packettheghost)