はじめまして!
再利用梱包オバケです。
環境とお財布に優しい梱包と称して、紙資源をフリマ梱包に再利用しています。
リユース界隈で資材の使い回しは当たり前ですが、
社会規範的に常識とは言い難いのが実情。
再利用を容認する人は多いけど、一方で不愉快に思う人もいる。
「最低限の梱包」という問題。
認識の差を埋め、穏便に取引を終えられるよう、
商品ページへの記載と、取引メッセージでのお詫び文の記載を徹底し、
梱包のやり方を学んでいきます。
今回は、『最低限の梱包』という言葉についてこれまで考えてきたことをまとめます。
【最低限の梱包マナー4のチェックリスト】
視点 | 優先度/機能 | 梱包マナー |
---|---|---|
物 | 最低限/保護力 | ① 壊れ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ② キズ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ③ 汚れ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ④ 濡れ対策 |
ぜひ最後まで読んで下さるとうれしいです。
最低限の梱包とは個人の主観
言葉遣いの身近なギモンです。
メルカリで欲しい物を探しているとき、商品ページに「最低限の梱包」という記載を見たことがありませんか?
ご了承くださいm(*_ _)m
わたしは、たまに見かけます。
梱包に興味を持つようになってから、こう思うことがあります。
調べて辿り着く地点は、
- 出品者の認識に基づいてなされる最低限の梱包。
- 出品者の自由裁量でなされるため、具体的な方法は直接出品者に聞いてみないと分からない。
最低限の梱包とは個人の主観です。
キズ対策がどこまで施されるのかは、その人のキズに対する感覚がどのようなものかによる。
「簡易梱包」や「過剰梱包」、「雑な梱包」という言葉にも、同じことが言えます。
言葉の概念は共通でも、「丁寧」なのか「雑」なのかは人それぞれの感じ方。
この言葉を使う出品者の真意
『最低限の梱包』という言葉を選んで使う出品者の意図は、この言葉の雰囲気、微妙なニュアンスにあるのではないかと考えています。
たとえば、
購入者に察してもらうため
という、含みを持たせたメタファー。
遠回しに拒絶しているんですね。
もし、これで購入者を篩(ふるい)にかけているのだとしたら余計、具体的な梱包の方法を聞かれるのは嫌だろうなと思います。
細かい人、面倒くさい購入者だと思われそうです。
すなわち、
購入者を見極めるため
そう見なされて残念な事態になるかも?
「どのような梱包をご予定ですか?」と聞くのは少しリスクを伴うと思います。
でも、梱包方法を聞かないのもまた別のリスクになります。
たとえば、
自己保身のため
あとで梱包の苦情を受けないように予防線が張られているのです。
ニュアンス的に使われている言葉です。
みんなで共通した認識を持つのは難しいのだろうと思いますが、
自分なりに『最低限の梱包』と『それ以外』を分けて、なるべく体系的なものにしようと試んでみました。
今後のため、少なくとも自分軸ははっきりさせておきたい。
ここからは、
という疑問に理由付きで独自にお答えします。
フリマ界の公式見解などではありませんので、ご留意ください。
梱包とは運送のためにする荷造り
梱包って何でしょうか?
【梱包(こんぽう)】
覆いや縄などをかけて、荷造りすること。
広辞苑
【荷造り(にづくり)】
運送すべき物を束ね、または包むこと。
広辞苑
実にシンプルですね。
運送できる梱包をしてください。
運送各社、荷物の梱包方法がガイドラインのような形で用意されています。
たとえば、こんな感じ。
荷物の梱包方法の基本
– 詰込み時のポイント –
□ 重いものは小さい箱に
荷物の梱包方法の基本 | ヤマト運輸
□ 重いものは下、軽いものは上
□ ダンボールの中に隙間を作らない
物の特徴ごとの梱包方法もそれぞれ載ってます。
お荷物ごとの梱包方法
– お荷物の種類を選ぶ –
□ ワレモノ
お荷物ごとの梱包方法 | ヤマト運輸
□ 食品
□ 電子機器
□ 書籍・小物・記録媒体
□ 衣類・布団
□ 平面・棒状で折り畳みができないもの
□ 大きい荷物
ガイドラインに従っているだけでは最低限の梱包マナーを満たしているとは言えません。
ガイドラインには現実に起こるヒューマンエラーについて書かれていないためです。
例外を補填するための考え方をご紹介します。
物の視点で運送に耐える梱包を考える
例外を補填するためには頭でイメージしてみるしかありません。
以前、物流で働いていたころ国内配送の手配をしていたときのこと。
いろんなトラブルがありました。
実際自分が荷物を梱包するわけでも運ぶわけでもないので、業者からの報告から学ぶしかありませんでした。
自分が現場に居ない以上、トラブルを回避するためには輸送中のことをイメージすることに尽きます。
これは仕事のできる先輩がみんなやっていたことです。
運送の現実を知る(輸送中の怖い話)
みなさんは、ポストや窓口に出した後の荷物がどのような過程を経て購入者の元へ届くのかをイメージしたことがあるでしょうか。
預けられた荷物は機械や人の手によって仕分けられ、コンテナに入り、トラック(および船や航空機など)の荷台に乗せられ、降ろされ、台車に乗ったりして、最後にまた人の手によって運ばれています。
トラックに積載された荷物は、道路の凸凹や橋などの繋ぎ目などで振動や衝撃が加えられます。
荷崩れを起こすこともあります(輸送事故)。
トラックの荷台に貨物が効率よく配置されていなかったり、バンドでしっかり固定されていないと、急ブレーキやカーブなどで荷崩れを起こすのです。
また仕分けや積み下ろしの際に荷物の上に別の荷物を重ねられたり、手荒に扱われてしまうこともあります。
具体的には、忙しさゆえ、放り投げられたり、落とされたり、踏まれたりしています(することがあります)。
プロの運送人だからと安心していてると痛い目を見ます。
ガイドラインには書いてありませんが想像がつく範囲のことは現場で起きています。
荷物が無事に到着するまで安心できないのです。
運送業者のHPに詳しくは書かれてないと思います。
(輸送の怖い話終わり。)
最悪の場合を想定する人としない人でも、梱包に差が出ると思います。
運ばれる側である『物』の視点で考える梱包マナーを考えます。
物が出品者へ求める要望を考察し①~④の項目にまとめました。
最低限の梱包マナー4のチェックリスト
【最低限の梱包マナー4のチェックリスト】
視点 | 優先度/機能 | 梱包マナー |
---|---|---|
物 | 最低限/保護力 | ① 壊れ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ② キズ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ③ 汚れ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ④ 濡れ対策 |
『物』の視点からみてこの4点を押えた対策を最低限の梱包マナーといいます(ということにします)。
最悪を想定しながら、物の視点で梱包方法を考えます。
それぞれの想定と対策は以下の通りです。
① 壊れ対策(落下を想定)
輸送で最も多い破損トラブルが「落下」です。
耐衝撃性のある物は梱包の仕方次第で落下しても助かるものがあります。
割れ物や機械など衝撃に弱い物は半分諦めますが、出来る限り落下にも備えます。
物を個別に緩衝材で包む
緩衝材は、一点にかかった衝撃を分散させ吸収します。
品物ひとつひとつを緩衝材で包みます。
箱の底に緩衝材を敷く
箱を床に置いたとき下(地面)から力が加わりますます。
箱の底に緩衝材を敷いておくとその衝撃を吸収します。
※ ダンボールを一枚敷くだけでも違う。
物が動かないように固定する
落下などによる物の変形量は、物が動かされるときの運動エネルギーに比例します。
隙間の無いよう箱の中の隙間を緩衝材で埋めるか、動かないようにしっかり箱に固定させます。
発送前に、箱を軽く振ったり揺すって動かないことを確認します。
角と縁を補強
箱の角(かど)は、落下した際一点に力が集中してしまい分散されないため潰れやすいです。
箱の角や縁、側面などは重点的に補強し衝撃による潰れから品物を守ります。
ダンボール箱の厚さは十分か
重い荷物は他の荷物の下に積まれることが多いため、上からの加重に耐える強度の高いダンボール箱を使用します。
ダンボールは1ミリ程の薄いものから1センチ程の分厚いものまであります。
基本的に厚いものほど強度が高く上からの加重にも耐えます。
なるべく厚いダンボールを使用したいところですが、厚いダンボールにはそれなりの重量があります。
軽いもの・壊れにくいものには薄いダンボール、重いもの・壊れやすいものには厚いダンボールを使用するのが合理的です。
ダンボール箱の底を十字貼りする
ダンボール箱は、底の中心部に重さが集中します。
重い物が入った箱は真ん中から抜けやすいです。
ダンボールの底に粘着力の高い布テープを縦に貼った後(I貼り)、更に十字になるよう横に貼ります(十字貼り)。
※ 軽いものはI貼りでも問題なし。
② キズ対策(振動を想定)
トラック輸送中の荷台は、常に地震が起こっているような状態です。
輸送の振動で箱の中の物が別の物にぶつかり合ってキズつくことがあります。
中でガチャガチャ音がする箱はダメ!
以前、購入者の立場で開ける前にガチャガチャ音がする箱を受け取ったことがあります。
幸い、壊れてバラバラになっていたのではなく複数ある物同士が当たる音でした。
箱を開けると、中のいくつかは被せられたはずの気泡緩衝材が外れていました。
ゆるく被せらていたのに加え、物が箱の中で固定されていなかったため輸送中の衝撃や振動などで動いて外れてしまったのだと思います。
中身はプラスチック製のおもちゃだったので、多少キズが付いても問題はありませんでした。
でもこの時、品物ひとつひとつを緩衝材でしっかり保護し、隙間の無いよう箱の中の隙間を緩衝材で埋めるか、動かないようにしっかり箱に固定させる必要性を確認しました。
切手部分に中身があたるのを避ける(普通郵便)
普通郵便で発送する場合は切手に消印が押されますが、カードなど紙素材のものは強い印圧により消印の形に折れ曲がることがあります。
切手を貼る部分に品物があたらないようにするか、消印が押されても大丈夫なように梱包します。
③ 汚れ対策(振動を想定)
キズ同様、輸送による振動や衝撃により品物が袋や箱の中で動いて別の品物などに当たり色が移ったり、液体入りの容器から液が漏れてしまうことがあります。
液体漏れ
ポンプやスプレータイプのものは、振動や衝撃で押されないように補強します。
同梱した物に色や汚れが移らないように、品物ひとつひとつをビニール袋で保護し、緩衝材で包み、隙間があれば埋めるかダンボールに固定するなどして品物が袋や箱の中で動かないようにしておきます。
④ 濡れ対策(雨濡れ・軽い水没を想定)
「濡れ」も輸送で多いトラブルの一つです。
基本、外装が濡れても中身(物)が濡れないように梱包します。
水を通さない袋との二重梱包が安心
雨の日の配達荷物に水滴が付く程度でなく、急な土砂降りでずぶ濡れになってしまうこともあるようです。
紙製の封筒やダンボールは水を通します。
そして水に濡れた紙封筒は強度が弱くなっているためすぐに破れてしまいます。
ビニール製の宅配袋は水を通しませんが、何かに引っかかったりして破れることもあります。
中には防水性で強度が高い宅配袋も存在します。
しかし無事届けばそれでいいという人もいれば、二重梱包が基本と考えている人も少なくありません。
心証をよくする意味でも二重梱包にしておくのが無難だと思います。
ダンボール箱に粘着テープをH貼りして隙間を塞ぐ
ダンボール箱側面を粘着テープでH字に貼ると箱の補強になり、水の侵入も防げます(H貼り)。
あて名書きはボールペンなど油性のもので!
外梱包には、濡れても大丈夫な対策が必要です。
普通郵便などの宛名書きを水性ペンで書くのは非常に良くありません。
荷物に水滴がつき文字が滲んで読めなくなってしまうことが実際あるからです。
宛名書きはボールペンなど油性のペン・マーカーで書きます。
梱包の方法で迷ったとき、配達員さんが水たまりに荷物を落としてしまう最悪の場面を想像するとなんとなく見えてくるときがあります。
まとめ
今回は、最低限の梱包マナーとは何かについて考えました。
【最低限の梱包マナー4のチェックリスト】
視点 | 優先度/機能 | 梱包マナー |
---|---|---|
物 | 最低限/保護力 | ① 壊れ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ② キズ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ③ 汚れ対策 |
物 | 最低限/保護力 | ④ 濡れ対策 |
最低限の梱包とは概念で、人それぞれ個人の主観が入ります。
体系的な規則や礼儀作法はありません。
ただし、各社の梱包のガイドライン的なものは存在しています。
運送業者の手引きに従っても十分でない場合もあります。
通常の輸送ダメージから物を守る機能を有していることが肝要。
当サイトの考える最低限の梱包とは、物の視点から見た運送に耐える梱包。
最悪の場合を想像すると梱包に施すべきことがみえてくる。
想像出来ない場合、配達員さんが誤って水たまりに荷物を落とした場面をイメージしてみる。
以上がわたしの梱包の方針です。
ちなみに、メルカリColumn内に『メルカリの梱包で気を付けること』として、「破損」、「濡れ」、「中身が見えない」、「丁寧」を、『NGな梱包方法』として、「簡易梱包」、「雑な梱包」、「中身が見えてしまう梱包」、「過剰梱包」と紹介されている記事がありました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
みなさん今日もおつかれさまです! 今回は、わたしがこの3年で培ったフリマアプリの梱包マナーについてまとめます。 前回の記事、最低限の梱包とは?4のチェックリストの続きになります。 補足的マナーが加わり、全部で10[…]